アトラス・オーソゴナルの世界 Vol.15「BJも愛したフロリダ」

The Road to Atlas Orthogonist  Vol.15

BJも愛したフロリダ

パーマー大学卒業後は、全米各地のカイロプラクティックオフィスを訪問し、開業を視野に入れた見学をしながら南部アトランタを目指しました

渡米後の約7年間で知り合った全米各地のドクター達のオフィス訪問は、ハワイ州とアラスカ州を除く合衆国の全州に渡り、それは技術研鑽だけでなく開業時のオフィス環境を考える上でもとても貴重な時間となりました。

アトランタのDr. Royのもとで装置を用いるAOを身につける前に、手技による上部頚椎アジャストを習得しなければ、後々後悔するかもしれないという気持ちと、私自身の体をしっかり整えたいとの思いから、Dr. Royのオフィスに出向く前にフロリダ州へと向かいました。

フロリダでは、パーマー大学サッカー部の先輩で、私が上部頚椎に興味を持ち始めた当初から度々相談に乗ってもらっていたドクターであるDr. John Dunn  (Doc) のもと、私自身の治療を兼ねた研修生活がスタートしました。

Docはダベンポート出身でDr. BJパーマーとも縁の深い人でした。

1980年にパーマー大学を卒業すると、腕を磨くためイタリアで数年間臨床を行い、毎日100名を超えるフルスパインアジャストで研鑽したのち、フロリダ州で古典的上部頚椎オフィスを開業しました。

私は、そのDocのもとに住み込み、朝から晩までレントゲン撮影及びハンドアジャストを徹底的に指導してもらいました。

Docのクリニックに来院する人々は上部頚椎への理解が深く、アジャスト後は皆満ち足りた笑顔で帰路につきます。その様子は、学生時代に少数派だった上部頚椎を選択した私に、大きな勇気を与えてくれました。

また、事務担当のDocの奥様でもあるBarbaraはトライアスロンでフロリダ州代表にもなるほどのアスリートでもありました。私が趣味としている自転車は、DocとBarbaraからの影響であり、この研修中にリハビリも兼ねて始めたものです。

パーマー大学卒業後、極寒地での生活で強張った身体と極度のストレスで固まってしまった私の心が、BJも愛したフロリダの気候とご夫婦の暖かな歓迎により解き放たれた時間でした。また、アメリカの良心について多くを学び、素晴らしい想い出を作った時でもありました。

フロリダで数ヶ月過ごし、心身ともに回復したある朝、Docから「Hiro、私からの習得は完了し、君の旅立つ時が来た。すでにDr.Royには手紙を送ってあるから、アトランタに行きなさい」という言葉を贈られました。

 

Vol.16へ続く

 

~今日の1枚~

南国リゾートスタイルを纏いフロリダ別荘で寛ぐ晩年のBJ。
同じくフロリダを開業地に選んだDocから受け継いだ幾つものBJ関連品は全て宝物であり、これは私のお気に入りの一枚です。

 

記:井上裕之

2020-10-08 | Posted in AOの世界No Comments » 

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