アトラス・オーソゴナルの世界 Vol.18「医院勤務そして開業」

The Road to Atlas Orthogonist  Vol.18

医院勤務そして開業

元旦に帰国し、Dr.Royから紹介された東京都江戸川区の医師である今井力先生を訪問したのですが、第一声は「今までどこへ行っていたのですか?」でした。
先生は、秋にはアメリカからDr.Royの手紙を受け取り、私からの連絡を首を長くして待っていたそうで、大変心配されていたのでした。
アメリカを出てからの経緯を話すと、驚いたことに先生ご自身もインドに興味があるだけでなく、実際に訪れたことがあり、座禅会までも主宰するほどだったのです。

Dr.Royが引き合わせてくれた今井先生は、内科医でありながら奥様と共に鍼灸を実践し、またご自身の体調不良をきっかけに出会ったカイロプラクティック、中でも特に上部頚椎に関心を持たれている医師でした。
大変勉強熱心な方で、私が渡米前からお世話になっていた科学新聞社から、「自律神経失調症」や「温泉療法」などについて、西洋医学とは違う目線で書かれた著書を幾冊か出版されていました
しかも科学新聞社の担当者は私が留学前に相談に乗ってもらった斎藤社長という、もはや偶然とは思えない繋がりもあり、今井医院在職中からカイロジャーナルに度々投稿させていただくようになりました。
臨床以外でも、谷中「全生庵」の平井正修住職を招いて開催する坐禅会「関の会」の事務局として、一緒に「全生庵」で参禅したり、ゆかりある三島の「龍沢寺」にもご一緒させて頂きました。

今井医院では、心電図を用いた臨床研究など、内科医院勤務ならではの研鑽を積みながら、江戸川区の医師会学会やアトランタの学会で、治療前後の心電図とレントゲンを用いた改善を発表しました。また、レントゲンに関しては、装置の設定から撮影法など、所属するレントゲン技師達と、可能な限り本場アメリカと同じ条件でAOが実践できるよう取り組みました。

帰国後も、年に一度は技術向上のためアトランタの学会に出席し、日本での臨床について発表していましたが、今井先生と一緒にアトランタ学会に出席し、発表できたことは良い思い出となりました。学会出席でアトランタを訪れ数年が過ぎた頃から、Dr.Royから日本での本格的AO指導について、具体的な提案やアドバイスをいただくようになりました。

今井医院では、今井力医院長が引退されるまでの5年間、恵まれた環境で経験を積ませていただきました。そして2005年5月5日、三鷹で「上部頚椎研究室」を開業しました。
患者さんは、江戸川区及び東東京から来院されている方がほとんどでしたが、多くの方々が三鷹での開業を応援してくださり、今も当時からの数多くの患者さんに来院していただいています。

今井医院に勤務していた北川勇介さん(現AOJ事務局長)から、AOの勉強も兼ねて当院に定期的に通院するうち、自身の開業相談を受けるようになりました。
彼は地元愛知県に戻りAOを中心に開業したい、今一度AOをしっかり学びたいとの並々ならぬ熱意を持っていましたので、私としても自信を持って日々の臨床をして欲しいとの思いから協力するに至りました。
ちょうど、今井医院で北川さんを引き継いだ森本能史さんも参加を希望していましたので、三鷹のオフィスで小規模なAO勉強会を毎月行うことにしました。

今井医院に勤務当時から勉強会は開いていましたが、今回は開業を見据えて本場アメリカのAOテキストを元に、1ページ毎に確認しながらAOの基礎から始めました。
この時の彼らとのやりとりが核になり、現在のアトラス・オーソゴニスト育成講座の基礎となりました。そしてこの講義を元に、その後約5年をかけてAOテキストの和訳出版を果たしました。

 

Vol.18へ続く

 

~今日の1枚~

日本でのAO教授資格の認定証を受領し、翌年の2005年5月5日に三鷹にて「上部頚椎研究室」を開業しました

 

記:井上裕之

2020-11-26 | Posted in 育成講座No Comments » 

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