アトラス・オーソゴナルの世界 Vol.10「特殊なレントゲン」

The Road to Atlas Orthogonist  Vol.10

特殊なレントゲン

入学してから最初のテクニック講義は、4学期に受講するターグルリコイルですが、1学期生だった私には上部頚椎でスポーツ選手をどのように診ることができるのか想像すらできませんでした。

しかし「これも何かのご縁かもしれない」とこの上部頚椎テクニックを受診することに決め、まずはレントゲン写真を撮影してもらうことになりました。

すでにパーマー大学付属クリニックでレントゲンを撮影してもらったことはありましたが、通常は担当インターンが患者設定をした後、レントゲン技師が補正のための補助にあたり、最終確認を行った上で撮影するという流れでした。

しかしこの上部頚椎テクニックでは、担当インターンが最初から最後まで設定を行い、補助につくのも同じテクニックを選択した卒業間近で経験豊富な先輩インターンが行うというものでした。

理解に苦しみ不安にもなり、その理由を担当インターンに尋ねたところ、「このテクニックは選択科目なので通常授業ではこのテクニックに関する撮影法の講義が無く、選択科目のプログラムの中にレントゲン撮影法も含まれる。そして、レントゲン技師がこのような特殊な撮影の設定に関わることは無いので、インターン間で代々受け継がれる習わしである」との回答でした。

担当インターン自身も不慣れな作業のため、何度も失敗を繰り返しながらレントゲン装置の角度や方向を調整し、何枚もの頭頚部レントゲン撮影が終了しました。

レントゲン分析が終わり、説明を受けたそれらの画像には、これまで見たこともない角度から写しだされた数多くの線と数字が描かれていました。

一通りの説明を聞き、レッグチェック、スキャニングパルペイションの手順の後、待望のアジャストとなりました。

しかし、本物のカイロプラクターになることを夢に渡米した私にとって、手技ではなく特殊な装置を使う上部頚椎テクニックに対し、嫌悪感を抱きながら側臥位になったことを良く覚えています。

既にお気付きの方もあるかと思いますが……、そうです。

上部頚椎テクニックについて、予備知識もない私が最初に受けたアトラスのアジャストこそがAtlas Orthogonal(アトラス・オーソゴナル)「AO」だったのです。

Vol.11へ続く

 

~今日の1枚~

アトランタのDr.Sweat オフィスのAO専用レントゲン装置。
Cアーム、ヘッドクランプ、電動チェアとAOレントゲン撮影に必要な機器、これらを駆使し如何に高品質の画像を写し出せるかも大切な技術のひとつ。

 

記:井上裕之

2020-07-23 | Posted in AOの世界No Comments » 

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