現地のカイロプラクティック大学を視察し、本場のカイロプラクティックを体験する為の旅。
不慣れな左ハンドルのレンタカーで、連日ロスアンゼルス近郊のカイロプラクティック大学を訪れ、その素晴らしさに感銘を受けたのは言うまでもなく、運転も上達して帰国する頃には景色を楽しめるほどまでになりました。
しかし、独学の英語は現地では全く通用せず、ある大学の入学担当者から「再度アメリカで高校に入学したほうがいい」と提案を受けた時は、さすがに大変なショックでした。アメリカのカイロプラクティック大学は、一般教養を終えてから入学するgraduate schoolですから、高校からのスタートとなると、これから10年もかかることになるわけです。
半ば諦めかけ、帰国する直前になって、滞在先の友人から「せっかくアメリカに来て学校見学ばかりではもったいないから」とグランドキャニオンへの旅を提案されたおかげでアメリカの大自然に触れることができました。
延々と続く砂漠の一本道をひた走り、広大な地平線に沈む夕日、頭上に輝く星々など、これまで映像でしか知らなかった光景を眺めているうちに、将来自分が進むべき光の道筋が見えてきました。
車を降り、まだ薄暗い森を歩くと眼下には世界最大の渓谷、グランドキャニオンが広がっていました。そこで過ごした数日間は、私の人生の決断をするには申し分のない体験となりました。
留学を決意したのは、ロスアンゼルスからの復路便で偶然隣に乗り合わせた留学生から体験談を聞いたことに大きく影響されています。そして、帰国と同時に留学準備を始めることになりました。
インターネットもない時代ですから、自分の足だけを頼りに情報を収集、当時科学新聞社の編集長だった斎藤さんからの助言は厳しいものでしたが、実に的を得ていた事を後になって思い知らされるのでした。
出国は成人式前でしたので、家族からはせめて写真だけでもと、祖父の羽織袴を借りて記念写真を撮りました。年の瀬の大晦日、人生を変える不退転の決意と片道切符を持ってアイオワ州ダベンポートへ出発、元旦から新しい人生を歩もうと意気込んだものの、時差の関係で到着もやはり大晦日だったのでした。(笑)