カイロジャーナル掲載記事第91号
カイロジャーナル第91号(2018年2月26日発行)より
AOJニュース 最近の活動と今後の予定
育成講座
米国本部のアトラス・オーソゴニスト育成制度に準じた日本唯一の育成講座として、2014年に第1期が始まったこのアトラス・オーソゴニスト育成講座も、昨年無事に第4期が終了しました。第4期は、再受講の方が多く、内容的にはBASICよりも1歩も2歩も踏み込んだ内容が盛り込まれ、いつも以上に実りのある講座となりました。受講生の中には、すでに日常の臨床からAOを実践している方、今後取り入れていこうとしている方、あるいは違うテクニックを実践していても上部頚椎についての理解を深めて自分のテクニックに生かしていこうとする方など様々ですが、この講座でAOについての基礎を学ぶことにより、各々が日々の臨床に役立てています。
講師を務めるのは、Dr. Roy W Sweatから日本で唯一アトラス・オーソゴナルを教えることを認められている井上裕之D.C., B.C.A.O.です。この育成講座の受講とそれに伴う試験合格者はR.W. Sweat Research Foundation公認の「アトラス・オーソゴニスト」として認定され、米国アトランタにて開催される上部頚椎解剖実習やアドバンスセミナーへの参加が正規に認められます。
解剖実習
この2月にも、認定者の中から数名の希望者と共に上部頚椎解剖実習のためにアトランタへと行ってまいりました。
LIFE大学にて行われた上部頸椎解剖セミナーにて。
Roy Sweat D.C.(左から4人目)、井上裕之D.C.(同5人目)と日本からの参加者一同。
この解剖実習の素晴らしい点は、日本で見学できる解剖実習とは違って、カイロプラクター、その中でも上部頚椎カイロプラクティックを実践するカイロプラクター向けの解剖がされているという点です。上部頚椎に特化して解剖された検体を実際に触りながら見ることは、なかなか体験できるものではありません。そして、その講師はLIFE大学で解剖学を担当していて、日々カイロプラクティックの学生に解剖学を教えているドクターなので、カイロプラクティックへの理解はもちろん知識量も膨大で、参加者との質疑応答も的確でした。
アトラス・オーソゴナルの基礎を学び、上部頚椎のバイオメカニクスを学んだうえで、このような解剖実習に参加することで、より実践的な学習が可能になります。
AOジャパン
日本で本物のAOを普及させるためには、この育成講座を修了したAOジャパンのメンバーが、各地で正しいAOを実践していく必要があります。
この講座では、AOに必要不可欠なレントゲン写真の撮り方についてもしっかりと学べるので、協力的な医療機関を見つけることができれば、専用の設備がなくてもAOのために必要なレントゲン写真を揃えることは難しいことではありません。レントゲンの分析法を学んでも、正確なレントゲン写真が無ければ正確なAOアジャストメントにはたどり着くことはできません。
それを実践できるようになるのが本講座の特色でもあります。
本国アメリカで患者向けに使われているAOについての小冊子や動画の翻訳も完了し、今後は正しい情報をしっかりと伝えるために、AOジャパンのホームページの内容も充実させていく予定です。
AOJ事務局長 北川勇介
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